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「自分を動かす言葉」 中澤祐二著 ベスト新書 ※149冊目


自身を「下手くそ」と称したサッカー選手が、日本代表主将にまで上り詰めるには、多くの努力が必要だった。厳しい練習、ストイックな食生活、徹底した自己管理…。その苦しい時間を乗り越えることができたひとつの理由に「言葉の力」がある。本や人との出会いを通して、もたらされたその金言が、中澤佑二の原動力となったのだ。岡田武史、イビチャ・オシム、恩師、友人…中澤佑二を作りあげた「自分を動かす言葉」とは。


「夢を持った時に、どんなものでも今の世の中は10年その願望を持ち続ければ、必ず成就するというふうに思いますよ。10年間なにかに熱中するということは、好きなことであってもなかなか難しい。逆に言うと10年間頑張るという気持ちでいれば、たいてい成就します。・・・子供のころからとりたててサッカーがうまかったわけでもなければ、エリートだったわけでもない。学生時代に地域の選抜チームに選ばれたこともないし、全国大会にも1度も出ていない。逆に、僕が生まれ育った埼玉県は全国でも強豪の部類に入るため、周りにはうまい選手がごろごろいた。・・・きっと最初から10年て長いなあと思ってしまう人は、10年ルールには向かない。そういう人たちはおそらく、すぐに結果を求めてしまうからだ。なぜ周りから評価されないのだろう、どうして俺は昇進できないんだ、・・・僕に関していえば、気が付いたら10年経っていたという感覚だった。当然、始めから、10年先を見据えて、サッカーをしていたわけではない。ただ人一倍、下手くそだ、という自覚があったから、とにかくがむしゃらに練習をしていただけだ。」


【コメント】
英語を勉強しているが、これもあてはまると思う。1万時間の法則、というのもあるし。



「アメリカの女性詩人で、エラ・ウィーラーウィルコックスという人が残した一節だ。人生が歌のように流れている時に楽しい気分になるのは容易だ。だが、立派な男とは何もうまくいかないときでも笑える男だ。やっぱり人間は、どん底の時こそ、真価が問われるのだと思う。何かの壁にぶつかった時、挫折したとき、目標を失いかけた時、気持ちがおちこむのは当然だけど、カラに閉じこもっていても何も変わらない。」


【コメント】
気分いい時になんでもできるのは当たり前なんだよ、誰だって。気分のってないときにどれだけやれるかで、差というものが生まれるんだろう。



「ある選手が僕の胸をえぐるようなことを言った。どうして日本人は金を払ってサッカーをやりに来るんだ?サッカーは金を稼ぐためにやるもんだろ。金を払ってやるもんじゃないぞ。お前らは馬鹿だな。僕はカチンときた。こっちはそれなりの覚悟で異国の地に乗り込んできたつもりだし、どうにかしてプロへの足がかりをつかみたい一心だった。だけど、僕は言い返そうとしても、どう説明していいかわからなかった。なぜなら、向こうの言い分もある意味で的を射ていたからだ。・・・かれらは、なけなしのお金を持ってきてプロクラブの入団テストを受けて、トップへと這い上がっていく。その先には、お金持ちになって両親や兄弟を食わせてやるんだという野望も持っている。・・・ブラジル人からみれば、圧倒的に生ぬるい環境なのだ。」


【コメント】
這い上がっていく意気込みがまず違う。サッカー大国というのは、その競技をどれだけ死ぬ気でやっているかで決まったんじゃないのか。



「あるとき、午前中にトップチームのフィジカル練習に参加させてもらい、午後のサテライトの練習に備えようとしていると、クラブハウスの食堂で昼食をとっていいという許可がでた。喜んで食堂でランチを食べていると、そこにカズさんがいた。すると、僕のそばにきて、いきなり怒鳴りつけたのだ。お前、ジャージで食ってるんじゃねえよ!!カズさんはびしっとスーツ姿で昼食をとっていた。練習のあとは、まずしっかりと身だしなみを整えるのがカズさんのプロ選手としての流儀だったのだろう。・・・でも、僕はそんなふうにラモスさんやカズさんに怒られたとき、不思議と、嫌な気持ちにはならなかった。むしろ、これがプロなんだと教えられた気がした。」


【コメント】
それをびしっと注意したカズもいいけど、それを言われてこのように感じた中澤もかっこいい。いいエピソードだと思う。


「お前、付き合い悪いな。ヴェルディに入団してしばらくして、僕が飲みの席を断るようになった時に言われた言葉だ。お酒を断つことを決めたのは、生活サイクルの大切さに気がついたからで、プロ1年目の終わりくらいの頃だ。最初はもちろん、先輩の誘いは断れず、外食にも出かけたし、夜遅く帰ってしまうこともあった。正直に言えば、みんなでワイワイと騒いでいるのは楽しいし、時間もあっという間に過ぎていってしまう。・・・けれど当時は、徐々に生活のリズムが崩れていくのも感じていた。朝は眠気が覚めず、すっきりしない。練習でもどこか調子が悪く、いいプレーができない。・・・あるとき、ふと俺は何をしてるんだろう?と思った。そうなると、もう止まらない。自問自答の連続だ。自分はそんあことができる上手い選手だっけ?もう時間はないんだぞ?・・・そう思った僕は、先輩にどう思われようが、誘いを断ることにした。」






「僕にはお酒に代わるストレス発散法がある。部屋の掃除だ。2006年のドイツワールドカップの前に、過密日程が続いたり、膝や足首に故障が出たりして、心がどんよりしていた頃は、練習から戻るとひたすら掃除をしていた。部屋をすみずみまできれいにしえいくと、不思議と、頭のモヤモヤが晴れていく。」


【コメント】
これって極上の考え方ですよね。お酒に代わるのが掃除だって。いいことづくめじゃないですか。部屋もきれいになってストレスまでとれる。いい循環が生まれる。という風に衝撃を受けた僕は、趣味を掃除と言えるようにこの考え方を取り入れてみた。実際、部屋がきれいになって、朝の目覚めも良くなった。



「私生活で節制を始めたのは、プロのサッカー選手を本格的に目指そうと決意した中学生の頃だった。中学3年生の終わりくらいから、栄養について調べながら、少しづつ食生活に気をつけるようになった。最初は炭酸飲料が体に良くないという話をききつけて控えるようになり、代わりに牛乳を2リットル飲むようにした。カップラーメンや菓子パンを主食にするのではなく、サラダやほかの栄養素も一緒に摂るようにもなった。早寝早起きをより徹底するようになったのもその時期だ。しっかり睡眠を確保するために夜9時に寝て、朝5時に起床して朝練習に出かけた。頭にあったのは、プロになりたいという思いだけだった。」






「僕は人よりもサッカーが下手で、このままではプロになれない、世界に通用しないというような危機感があった。中途半端にうまければ、どこかで満足して努力をやめていたかもしれないけれど、自分にはずっとそんな余裕がなかったのだ。」





「とある企業の偉い方とたまたま食事をすることになり、お互いの仕事について何気なく話していた。聞くところによると、相手の人は非常に多忙な日々を過ごしているようで、ほとんど休みもないような状態らしかった。・・・だけど、こちらが休みの少なさをぼやくと、その人はやんわりと否定した。忙しい時だからこそ、何かをやったほうがいいよ。忙しくない時にやってもほとんど意味がないんだから。・・・僕は最初、意味がわからなかったけど、話を聞いていくうちに、その人の話が妙に腑に落ちた。忙しいからこそ、やらなければいけないこともたくさんある。現役の選手だからこそ子供たちに伝えることができることがあるはずだ。・・・さらに言葉は続いた。忙しくない時であれば、それはだれだってやるんだ。でもそれはまさしく仕事でしょ。忙しい今だからこそ、いろいろとやってあげれば、引退したあとにきっとつながるよ。もし、地位や名声がなくなったとき、きっと助けてくれる人たちが出てくるはずだから。」


【コメント】
忙しい時に、何かをやることが、他の人との差につながる。あとは、結局何時間という膨大な時間があろうとも、やらないやつはそこに甘んじてやらない。矢沢永吉もいっていたが、やるやつはやるし、やらないやつはいくらいったってやらないよ、とね。要は自分で全部決めて自分の責任で人間は動くってことですよね。


「僕は高校時代、練習で笑顔を見せている選手が許せなかった。・・・彼らは楽しくやりたかったのだろうけど、僕の目には真剣さが足りないように映ったのだ。・・・その頃、同級生に仲の良い部員もいたけど、はっきりいって目的意識には絶対的な温度差があった。かたやプロ選手を目指して、高校サッカーをステップの場として考えている者。かたや高校サッカーの集大成として、埼玉県でひとつでも上位に行こうという目標を見据えている。両者のあいだには、埋めようのない溝が横たわっていた。だから卒業後、高校に在学中だった当時の部員とはほとんど交流がなくなっていたし、卒業後に同期の集まりに呼ばれたことも一度もない。それについては少しさみしいけど、仕方がないことだと思っている。当時は夢に向かってひたすら頑固に突っ走てっていたし、仲間や後輩に嫌われても俺はプロになるんだという意識だったからだ。」


【コメント】
少しわかる・・・きがする。自分が真剣にやっていればいるほど、適当にこなしてかわしていくのが普通だと思っている人をみると、なんだか真剣みがたりねえな、って思うよな。しかめっつらしてりゃいいってわけじゃないんだけど。

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Author:あらこう318
月に10冊を目標に、ひたすら読書にはげみ、人間力を高めようとしています。
そのため、ほかの方が普段読む量の数倍の読書をしています。その中から、特におすすめできる本を紹介し、読書録も兼ねます。衝撃を受けたフレーズや、是非とも記憶にとどめておくべき文節を厳選して紹介いたします。友達申請歓迎です。

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