「たかが英語」 三木谷浩史著 出版社: 講談社 (2012/6/28)
世界企業は英語を話す。「英語公用語化」で、日本は復活する。楽天2年間の実験で確信した、成功のマニフェスト。
「一般的な日本の社会人が英語を習得するのに、どれだけの時間が必要だろうか。1000時間。それがこの答えに対する僕の仮説だ。なぜ1000時間なのか?参考にしたのは、やはり楽天のインド人、中国人社員が、コミュニケーションレベルの日本語を習得するのにかかった時間だ。・・・・おそらくどんな社会人でも1日2時間、忙しい時でも1時間は英語に触れる時間を作り出すことくらいは可能なはずだ。そうすると、およそ2年で1000時間を超える。」
【コメント】
具体的な数字がミソだ。1000時間か。1日最低5分という目標で、10年スパンで考えているが、仮に1日5分の場合だと32年かかってしまうようだ。これはイカン。15分に伸ばせば10年でいいようだ。
「僕が英語の勉強を本格的にはじめたのは、大学を卒業して、日本興業銀行に就職後まもなくだった。・・・・毎朝6時半に出社して、当時興銀の地下に設置されていたLL教室に直行し、始業時間の8時20分まで英語を勉強した。昼休みも食事を早めに済ませて30分、仕事が終わってからも飲みに行く日以外は英語の勉強に費やした。といっても当時はバブル全盛期で、ほぼ毎日飲みに繰り出していた。それでも新入社員にとって、1日1時間から2時間の勉強時間を捻出することはそれほど難しいことではなかった。」
【コメント】
もうね、遊ぶこととか考えていないですもんね。そんくらいじゃなきゃ、経営者は。
「楽天に入社した男性執行役員の事例を紹介しよう。年齢は40代半ばだ。・・・はじめて本気で英語を勉強するモードにスイッチが入り、平日1~2時間、土日に10時間、週に最低でも25時間くらいは英語を勉強しました。」
「これほど急進的な海外展開は、英語化プロジェクトをはじめなければ決して実現できなかったはずだ。その理由は、買収される立場を想像してみれば、すぐにわかる。日本語で行われる会議に参加しても、自分たちがその企業の一員なったという実感は得にくいはずだ。たとえ通訳がついていたとしても、直接のコミュニケーションができないと、どうしても疎外感が生まれる。最悪の場合、自分たちは日本企業・日本人の下に置かれるとなったと悲観するかもしれない。英語化には、グローバルでかつフェアな環境を作り出すという大義名分もある。」
「英語だけできても無能な政治家や仕事のできないビジネスマンは多くいる。ただ一方で、ビジネスセンスのある人は元々英語を勉強している人が多い。また、仕事が出来る人はタイムマネジメントもしっかりしているし、地頭が良かったり、ロジカルだったりすることが多いので、いままで英語はやっていなくても、英語を集中して勉強してもらい、使う環境においてやればできてしまう。また、学生時代などに何かに集中して何かしらやり遂げてきた経験のある人ほど、英語の習得が早かったりする。」
「インターネットの普及により、地理的な障壁が取り払われた結果、日本語という壁はもはや僕らを守ってくれる存在ではなくなったように思える。インターネットは国境のないビジネスなのだ。数年後の日本の人口や世界におけるGDP比を考えれば、日本は否応なく世界に差を広げられていき、世界を相手に商売をしないといけなくなるのに、いまだにガラパゴスに閉じこもってしまっている。」
【コメント】
黒船来航のときみたいに、こじあけられるでしょう。ガラパゴスも。というか、もうその扉は開いて、開きっぱなしですね。特に楽天なんかのようなIT業界にとっては三木谷社長のいうとおり、日本語だけではビジネスが成り立たない日がくるでしょう。
「日本の英語教育の中心は、英訳と和訳だ。・・・言語モードの切り替えをするには、翻訳をやめなければならない。英語を英語のまま理解できるような頭づくりが大切だ。僕は、楽天の社員にも、いつも翻訳するなと注意している。僕自身、アメリカに留学する前、リスニング素材を聴きながら、とにかく訳さないことを心がけた。耳に入ってくる英語を、キーボードでパソコンに入力するように、頭の中で英単語をひたすら並べていく。この時絶対に日本語に訳さないようにする。そのうちだんだん英語を英語のまま理解できるようになっていった。」
「これから新しく生まれるベンチャーは、1日目からグローバル化を考えるようになるかもしれない。・・・小さい組織ほど、小回りが利く。起業したばかりの経営者は、会社の規模が小さいうちに、社内公用語を英語化し、グローバル化に備えておくべきだろう。年齢も若ければ若いほど有利だ。」
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